休みの日には空に豆巻いて

去年と違い、休みの日に外出が多くなったと思う。浅い付き合いの人との会合にも顔を出す気力も高い。何をしようかと思いつくアイデアも順調に思いつく。行き切れずに困ったというほどでもなく、いい案配だ。家人がオススメしてくれるところが本当にいい。自分じゃ見つけられない催しや場所を提案、紹介してくれる。一緒に行ったり、手分けしたり、インスタやネット上で拾ってくる情報を手掛かりに、自分たちの好みの場所を限られた時間でいけることは快感のひとつかもしれないと今も思う。先週の日曜日は、今まで1番の蕎麦屋を近所にみつけた。これも家人のインスタから得た情報。また行きたい!という蕎麦屋がなかった二人にとって、近所にあるとは目から鱗、青天の霹靂。その後行った茅ケ崎美術館で見た創作版画の作品たちはおそらくほぼ自分が大好きなテイストで、知れてよかった!とほくそ笑んだ。

その美術館で長女が体験入会したデザイン教室も、本人も気に入ったようでこれからの行く場所となった。夕方には2週間前に訪れた「着るアフリカ展」の催しの無料ライブがあった。コンゴのポピュラーダンスミュージックのリンガラ音楽をコンゴの方々が90分演奏。案の定、満員会場はスタンディングで踊っていたし、自分たちも踊った。そんな日は、こうでなっくっちゃと何も考えずに笑顔で寝れる。こういう気持ちや気分を長くは続かせないような事件や事故のニュース、もっというと不寛容な世間を最近感じてやまない。まだ直接的な被害はほぼないが、電車で嫌な気持ちになることもあるし、絡んでくる輩もいたし、何よりこれから出現するのではと思ったりする。それは肉体的な意味だけではなく、精神的な圧をかけてくる人もSNSも含めているだろう。昔から大好きだった、新井英樹原作の「宮本から君へ」をnetfrixで見た。ご本人も登場しているが、作品のクオリティは漫画にそう遠くない。不器用で優しく、闘っている主人公とその主人公を甘やかさず、でも優しく応援する取り巻きのその物語は、いつの日も人や社会が忘れちゃいけないものを表現し、自分もそれでいこうと思える。うまくいかないことがあっても、戻ってこれる。そういう余地や寛容さが人の思想の根底には必要だ。もっと優しく強くなりたい。