WELcom! <<peanuts record>>

ボクの敬愛するいでにぃが2004年に作った熊本県にあるレコードショップ。

いでにぃとは、2002年ぐらいに新宿disk UNIONの6Fことオルタナティブ、UK、アバンギャルドコーナーで一緒に働いていたときからのおつきあい。いでにぃの東京時代の最後をいくつかの時間を見届けて出た答えはひとつ。いでにぃは最高のオトコということ!音楽を家族を仲間をお酒や食やスニーカーや本を同列に大事に、たくさん愛しています。さぁ熊本へ!さぁショップに!YOU-KOSO!<<peanuts record>>。

ボクもあなたももっと音楽のある暮らしを取り戻そう。

http://www.peanutsrecords.com

http://www.peanutsrecords.com/blog/

住所:〒860−0848 熊本県熊本市中央区南坪井町3−12


2017年春から、ピーナッツマンスリークラブが立ち上がりました。

 

ピーナッツマンスリークラブとは、

いでにぃが毎月、レコードをいくつか選び、私がそれを収集するということ。

やってくる、ヤーヤーヤーな音楽達と対面し、聴き、生活の彩りとなり、誰かに伝え、残すということ。

 

僕らには時間がありません。

残り時間で、世界中の音楽を聴き漁れる量はおおよそ限られている。

そう思うだけで、切ない。

でもすでに、そのことは知っていて折り合いもつけている。

せめて、少しでもいい音楽に出会うことだけを想って。

2017.4

スチャダラパー

『あにしんぼう』

記念すべき第一号は、いでにぃのココロのアーティスト、スチャダラパー!久しく聞いていなかったので、自分からのオーダーでもあった。タイミングがミニアルバムを発売直後。これも縁。一年ちょっとぶりの発売らしい。スチャダラパーアルバムは、「ポテンヒッツ」しか持っていなく、詳しさ皆無だが、90年代から常に好きな存在だった。なので事実誤認とちょこっとLOVEで書いていますが、なんかずっーと休まず、自分たちのペースを弛まず、歩き続けているなと尊敬している。Boseの声が聞こえれば、もうスチャダラだし、ANIの顔を見たら、もうスチャダラ。SHINCOは、作る音がスチャダラ。聞き手への脳みそへの浸透度が半端ない。音楽に関しては、今のスチャダラだけでは語るのが難しいというのが率直な感想。レッチリみたいな感じです。スチャダラパーで十分。そしてジャケットカッコイイ。

ロボ宙&URBAN VOLCANO SOUNDS

『SEKAI WA KIMI NO MONO』

こちら初遭遇『ロボ宙&URBAN VOCANO SOUNDS』。トラックの格好良さや所謂抜け感、南国フィーバーもたまらない。このトラックではいろんなメロディやコトバが生まれると思ってやまない!それくらいいい。いろんな要素がトラックに詰まっていると思った。ロボ宙の朴訥とした柔らかラップは、かせきさいだぁや高木完、TOKYO No.1 SOULSETなどのギャングスタ的ではない、ストレンジロック好きの自分でも近づけた語り調の系譜をみて、他の作品も聞いてみたくなった。これぞマンスリークラブからのご褒美。提供された音楽家たちと嬉しい「初めまして」。


vol.4

AMERICA  

『HISTORY AMERICA'S GREATEST HITS』

大ヒットした1曲目「A HORSE WITH NO NAME」がとにかくいい曲だ。バンド名はとにかく敬遠したくなるが、Xは同名バンドとかぶってJAPANを付けた、BONJOVIもバンド名というか直接的だ。中々付けづらいものをつけるということ時点で、やっぱり一筋縄ではないと、結果論で思ったりする。名前からのイメージとは違い(自分の)、フォークソングの彼らは、とにかくハイクオリティメロウズ。アメリカではどんな評価なんだろうか。マイケルジャクソンが、カバーしていたりもするので、もちろん著名なんだろうけど、いい曲が多いワリにあまり日本では知られていない印象。まろやかなソングスたちばかりで、あっという間にアルバムが始まり終わる。

PLUMBLINE  

『CIRCLES』

竹村延和「子どもと魔法」のアルバムを思い出した。限られた音数の中、複雑に絡み合った、ミニマルで計算された音の集まりが何を表現しているのか、それを想像するだけで、作者と交信できる。作品名も無題。限定的でないということだろうか。まるでUFOから届けられた、コンセプトアルバムより提示されたものと、地に足が着いたもの(自分たち)との乖離を埋めるのでは想像力だけである。予備知識なく、繰り返し聴くことによって、毎回違った場・所に連れていってくれ気がする。


vol.7

THE HIGH LLAMAS

『LOLLO ROSSO』

ハイラマズのremixアルバム、懐かしい一枚が届く。なぜ懐かしいかというと、17年前ぐらいの頃、レコード屋で働いていたその頃に、よく見かけ、そして全くその頃は聴かなかった。その頃は、ジムオルークしか興味がなかったのだ。それから17年ぐらいが経ち、その頃と音楽は変わらないが、自分が変わっている。音楽はそうやって時を選び、やったくる。アルバムを改めて聴き、クレジットをみるとメンバーも所謂、間違いがないメンツ。音の配色が美しい。耳に届く音の集合体が、とても甘美だ。そして別々のメンツが作ったとは思えない、統一性のある同じ国、同じ思想のアルバムだと感じた。この中に、日本のアーティストであるコネーリアスがいることはなんだか誇らしく思ったりした。

MU-STAR GRUOP

『さいごのうた』

俺は、peanutes recordに日本のhiphopの一面を教えてもらっている。また新たな1ページ(一曲)がやってきてページがめくられた。スチャダラそのものと、スチャダラを敬服した感じのものと、スチャダラから派生したものと、スチャダラではないものをこの企画を通じて聴いている。ちなみに、今年はスチャダラの暮れの元気なご挨拶イベントに行く予定であり、beams×puma×スチャダラのコラボスニーカーも買った。俺もまだまだ染まれるんだyo これからも聴ける音楽、応援しなきゃいけない音楽、心が素直に揺れる音楽を探し続ける旅はこれからも続けていきたい。カクバリズムの音源も初めて手に入れた。彼らは15周年らしい。ハイラマズと同様、あまり気にして居なかった音楽が、ヤーヤーヤー我がヤーにやってきています。

peanutes recordsが作ったコンピも今回頂いたのだが、それがなおよかった。特に一曲目の、のんが唄キリンジ「エイリアンズ」が最高によくて、超超聴いています。


vol.10

余談

「三代目J余談ブラザーズ」

今号もめちゃくちゃ面白かった。通勤の電車で読むといつものスピードではない感覚で目的駅に着く。ちょっと年齢のパイセンたちから繰り広げられる話は、真に響くし、面白い。こんな話が出来る誰かの先輩になりたい。特に加山雄三と五味太郎は金言の数々、探究心の強さ、軽やかさ、優しさが溢れていて、何度か読まないと全部をちゃんと心に残せないと思った。五味太郎が上質な存在である子どもをオトナが汚すのは言語道断というようなことを言っていて、子どもの存在としての優しさ、素晴らしさを改めて胸ズッキュンした。もっと子どもや周りや物事を見る努力をしなきゃもったいないお化けがでるなと思ったのだった。

THE AH CLUB

「KISS THE SKY GOODBYE」

96年作品。古さの欠片もない。それにしてもいいメロディだ。トラックはもうよくわからない。宅ロクでさぞ、造詣深く音を探求し、ユニークさを学び、天性のメロディセンスを持っているんだろう。どの曲も似ていない。主たる影響が何かわからない。ヒップホップなんだろうか。90年代のグランドロイヤル系、BECK、DJ SHADOWなんかを彷彿させ、ローファイであり、色んなエキスが混じった実験性とPOP感がちょうどいい按配で調合されたスペシャルミュージックだ。めちゃくちゃ気に入っている。


VOL.13

ロボ宙

『SCRAPPIN』

LP版我が家に届く。ロボ宙アルバム曲を野音で聴く。柔らかい、やさしい、音楽愛に溢れた気持ちのいい楽曲だと生でも再確認。愛すべき作品に。


vol.16

Bossa Rio
『Alegria!』

セルジオメンデスプロデュースの1970年作のボサノバ・ジャズ/POP。その土地の音が音楽として、表現されることに疑いの余地はないが、ことブラジル音楽の数々からは、その意味を知る教科書みたいな音楽だと思う。夏の茅ケ崎でもブラジルの斜陽を思い浮かべ、色濃い夏とサラッとした情緒を感じさせる。下の子供は1歳4か月なのだが、時より腰を落としながら踊っているというかつられている。特に、男女や複数で歌うボーカルラインが、アタック力があって、いけていると思う。ボサノバジャズはいろんな要素が散りばめれた南国の果樹のような音楽だと思って、耳を澄ましてきいている。

THIRD WORLD

『you've got the power』

2曲ほどスティービーワンダーがプロデュースしている。今回の2タイトルともに大物プロデュースシリーズ。しかも猛暑でボサノバとレゲエもの。日本らしい夏ソングは、TUBEかプリンセスプリンセスかか。よくわからない笑。レゲエはなんだろう、ボブマーレイ以外にピントがあったことがない。ボブマーレイはとても好きだし、映画「ロッカーズ」もすごく記念すべき好きなレゲエ映画だが、今作も含めて、どうしても流してきいてしまう。この謎をときたい。


vol.19

SPEECH

『HOOPLA』

多彩な曲、洗練されているとシンプルに感じた。ヒップホップの枠だとすると、ヒップホップは、ロック以上に概念しかないと思う。型がないのである。

いいアルバムというのは、喜びや怒りなどの感情が十分に感じられるものだと定義づけられると思っていて、このセカンドアルバムからは、音楽に対する喜びが充満している。ロボ宙のscrappinと通ずるような。アレステッドデベロップメントのリーダーの彼は、90年代のヒップホップを導いていた一人だと思う。

セロニアス・モンク

『セロニアス・ヒムセルフ』

無伴奏のピアノソロである。一部、ジョン・コルトレーンによるサックス、ウィルバー・ウェアによるベースがあるが、基本は、ピアノソロという宇宙に連れていかれる。解説を読むと、1950年代はピアノの無伴奏ソロが常だったようだ。そういう伝統があったらしい。ニューオリンズから始まる、ジャズ編成の歴史を形態でも学ぶ。とてもリラックスしたテンポにも吸い込まれるが、そのベースを感じたうえで、この多彩な展開がモンクのイメージを柔らかく替えられた作品となった。

HANDSOMEBOY TECHNIQUE

『BESIDE THE FOUNTAIN』

限定シングル7インチ。ループするメランコリック。メランコリンクなブレイクビーツはいつまでも聞いていられるな。切なさや郷愁が音楽に含まれると一気に好みになる。切なさはそもそも手がとどないすべての事象と直結していて、自分のスタンスの基礎となっていると思う。その旅路の音が、メランコリック。メソメソしている部分が多分にある人が作っているに違いない。共感するわ。勝手な話笑

guther

『sundet』

ほんといいアルバム。懐かしさもあるけど、まだ聞いたことがない、情緒的で美しい音楽たちが耳に響く。リズムが静かでピッチが速い、その上に、女性というよりは少女のように聞こえるボーカルの乗っかり、遠くで鳴るノイジなギター、そして色んなリフのアンサンブル。。POPの妖精が踊っている。ちゃんと携えてこれからもいかなくっちゃ。


vol.2

ISABELLE ANTENA  

『EN CAVALE』

まず、ジャケットがいい。音楽は、よく音楽を聴いているヒトじゃないと気付かない匂いや要素が詰まっていると思う。フレンチポップも詳しくないけど、勝手な解釈だがJPOPと同じく、その土壌にいないと掴みづらいテイストが多いと思う。耳慣れとか自国の音楽トレンドとか。心地よさ、優しい声、ボサノバテイスト、+様々なスパイス&エッセンス、、など色々なものが消化された、美しい音楽は要注意。聴いているヒトを試す。試された俺は、自分が作れない音楽だと思ったことと、俺は美しさがドブネズミ的なものしか持っていない(良く言っているのはお許しを)。そこにカラーの違いがあり、そういう違いが芸術の面白いところ。聴けてよかった。

早見優

『誘惑光線・クラッ!』

和モノが流行っているという。数年前から。目利き耳聴きのDJなどのトラックメーカー達や真に音楽を愛しているレコードユーザー達のムーブメント。昭和時代の音楽の素晴らしさは、昭和好きの俺にとっては至極当たり前だが、前述の方々に背中が押されるとひと味違う。早見優の曲はもちろん聴いたことがないはず。どこがいいかを説明するのは難しい。こういう展開や音符の配置にしない、説明難題のミラクルさ。昔、黒沢監督が名作「どですかでん」で初カラーに挑み(白黒から)、色の使える喜びが画面から溢れているなんて論評を読んだことがあった。70年代80年代もそれと似た部分もあり、その時代にあった消費型の音楽にさえ、そこまで考え込まず、創造に対する従順さ、衝動や感覚だけで音楽が製造されていた部分が多くあったと思う(松本隆&筒見京平でさえも)。それくらい音楽に対する「熱」が高かったと思っている(聴くヒトも)。


vol.5

FIVE DEEZ

『KOOL MOTOR』

これまたカッコイイ音楽だ。ヒップホップなんだろうか違う呼び名でもいいというかジャンルなんてないのさ。ドラムが軽やかで、メランコリック、無国籍。リズムが変則的で多彩で妖艶。歌詞も気になる。すべてを知らなくてもいいのだが、ここまでカッコいいと探究心がわいてくる。作品の隅々まで、他の作品、本人の人間性や歴史。。いろんなものに影響されたい。マジカルな音楽が作れる偉大なアーテイストは、それぞれのストリーをもった群衆を導く道先案内人。尊敬。オケだけで聴けるこの作品は、インストでも秀逸、そして踊れる。世界にはすんばらしい音楽がつくられているファクトリーが沢山ある。

SHAKATAK  

『DOWN ON THE STREET』

フュージョン久方聴いていない。制作や活動が同じということではなく、80年代的に感じるのは、テツ&トモ(なんでだろう)。肩パット、カールやウエィブかかった髪、ちょびヒゲの黒人、いけ好かないナイスガイ的な白人、日本でいえばANRI、柏原芳恵、、、木の実ナナ的な髪型を揺らした男女がジャケット同様に、ハッピーな感じで踊っている。チョッパーベースにのせて、電子ピアノが綺麗にはまる。俺のココロに咲いているフュージョンはそんな感じ。もちろん間違っていると思うのだが、というかビジュアルイメージが80年代なだけでそれがフュージョンではないのだろうが、レコードに針生落とし、聴き目を閉じるとそうなる。そこには俺の姿はない。フュージョンがまた遠ざかった。音楽の未知なるものすべてを受け入れているつもりでいる。


vol.8

Beastie Boys

『Paul's Boutique』

勢いあいまくりで、サンプリングもラップもフレーズもメロディも王道も遊び心もらしさもユニークさも聴きやすさも最高な作品だった。ビースティボーイズってこういう感じだよなと思う。今から28年前の作品とは到底思えない。いい作品の共通項。時代や時空を超えて、古今東西関係ない。ユニバーサルだ。全曲に色がある。全曲があっという間に耳を通過し、ダンスな気持ちになる。オールドスクール的な作品はシンプルで、いけている。マイクD、アドロック、アダムヤウチ。好きなトリオのひとつだ!

全曲通してベースライン、ドラムパターン、ブレイクビーツ、MCライン、、どれもがいい音符で絡んでいる。こういうストリートな勢いがある、ギャングスタじゃないほうのヒップホップを聴くと、素直にカッコイイと思える。

M83

『Dead Cities,Red Seas&Lost Ghosts』

お初です。M83。プロジェクト名に由来する「渦巻銀河」。名は体を表すというが、何回聴いても捉えることが難しい、スペーシーさ。リバーブのかかり具合も相まってアシッドなエレクトロ二カだ。全然知らないアーティストだと、上辺な裁定もしがちだし、ネットでの情報で「ほー」と思いがちだが、なるべく初感で感じたことを書き記し、今後の聞き込み具合でこの初感と対峙したい。同送のビースティボーイズがグッときまくったので、そしてわかりやすかったので、薄い感想に。人気もあるらしいので、その意味を知るのはこれからにします。


vol.11

GRASS HOPPER AND THE GOLDEN CRICKETS

『the orbit of eternal grace』

ヒトには好みというものがある。頭で整理して、いい!となるよりも瞬間的に、いい!と思えるものが「好み」。この作品は好みだ。まず、音づくりがいい。スペイシーなNOISEとカラフルな音が重層的に柔かく絡みあう。歌のメロディも抜群。メロディがとにかく豊かで、音楽の持つクリエィティブさが際立ち、音楽の役目である、特有の『いい旅』へ連れて行ってくれる。浮遊感があり、ここじゃない異国感を思い、INDIEROCK的な野心・実験性もとても心地よい。とてもかっこいい。

LUSIOUS JACKSON

『here』

グランドロイヤルの女性番長、LUSIOUS JACKSONのアルバムを手にするのは実に十数年ブリ。ファミリーの作品はいいという前提で、レーベルの力を最優力に作品を手にし、アーティストを知っていった。しかしながらあまり記憶がないルシャス。力強いファンクなロックンビートにエキゾチックなボーカルライン。何とも形容し難い存在感。その個性を受け入れれるか流すか。今となっては正統派にも聞こえるが、集中するととても深いアーティスト性を感じる作品だ。聴き込めば味わいが増していく、そんな予感あり。


vol.14

アナミカズコ

『手紙を描く』

20年目にして初のアルバムだという。作品中に妊娠していたという。その二つのストーリーから、伝わるメッセージ。丁寧なお手紙調のカードも封入されていた。音楽とは、その人が隅々まで映し出される。醸し出される。炙り出される。嘘をつけないということ。その人が音楽だということ。そういう基本を思い出す。どう世の中を泳いでいるか。そういうことは音楽からはよく伝わるものだ。それをどう感じるのかは聴き手次第。優しい温もりは、作り出すのではなく滲み出るものだと思った。

スチャダラパー

『ULTIMAT BREAKFAST&BEATS』

1994年作。とてつもなくいい。トラックは、まるで今のようなフェイバー。トラックだけで食べていける。聞いてられる。グランドロイヤルでこんなインストバンドやDJがいたのかもしれない、いやいないのかもしれない、なくなくない?B面の「ドゥビドゥWHAT?」もすごくいい。好きなグループはだいたい初期が好きで、それと同じ法則。世の中に対して、ちゃんとそのグループのいいところを前面に抽出している。その姿勢がちゃんと音源にくっきりと出ている。スチャダラパーの音楽的クールな面がちゃんと聞こえてくる。


vol.17

EVERYTHING BUT THE GIRL

『EDEN』

何年ぶりに聴くのだろうか。2000年よりちょっと前に、ディスクユニオン新宿の6Fで働き、その頃は、数多くあったネオアコ定番レコードの一つとして、今作もあった。それから約20年経過。今聴くと、まずネオアコースティックってなんだろうかと思う。エレクトロニクスサウンドのカウンターでのアコースティックとのこと、ジャジーでアコースティック?パンクな意志やPOPなメロディも随所に感じられる。でもネオってなんでつくんだろうか。名付けた人が正解を持っているんだろうが、今となっていまいち、ネーミングで音楽が思い浮かばない。アズテックカメラ、パステルズ、オレンジジュースなどの代表的なグループですら、ずっと隙間な感じがしてちゃんとは避けてきた。隙間だという認識は当人たちには到底ないだろうが、隙間をみつけるには本体をわかっていないとできない。客観的に音楽を知り、新たな組み合わせで新たな音楽の方向性を構築することが、求められる。ネオアコ好きから送られてきたこの一枚。いろんなテイストの曲があるって奥深く聴いている。1984年デビュー作。

MOONFLOWERS

『SHAKE IT TOGETHER』

両面とともに、印象的なイントロで始まるサイケデリックグループの95年作。B面では女性ボーカリストを迎え、マッシブアタック名曲「プロテクション」も思い出させるジャジーなテイク。大人な味わい、腰つき、おさえたボリュームといった感触。A面は一緒に聴いていた子どもが踊っていた。そういう理屈抜きの音楽がいいと思っている。


vol.20


vol.3

SIMON&GARFUNKEL  

『卒業』

ザ・定番。定番と括るということは危険。思い込みやイメージの固定化が強固だからだ。サイモン&ガーファンクルはその中でも突出して、自分のイメージがすごい。多感な時代には退屈、多感がすぎた今ではハテナ。なんでこんなにも世界中のヒトに指示されているのか。フェイクのはずがない。ということは自分がおかしいはずだ。。そんな俺の立ち位置を知ってか、マンスリーで選抜されたザ・定番。メロディ&ハーモニーなのか、6回聴きましたが、まだ彼の世界に到達しません。teach me。小さなライブハウスで見てみたかったな。ファンに怒られるか笑

PIANO OVERLORD  

『THE SINGLES COLLECTION』

スコット・ヘレンをお恥ずかしながら知らない。というか2010年以降のフューチャーされてきた音楽をほとんど知らない(活動はもっと古くても)。触れていない。しかしながらこれは、このマンスリー企画全編で一番気に入った。ほぼ同い年のヘレンのフィールドの「エレクトロニカ」というジャンルには、聴ける心境というのが自分にはあって、年間でもそんな時間は少ない。ココロが静かな時にしか聴けないので、結果ココロ静かな時が少ないということになる。ただのエレクトロニカというのも少ないと思うが、この作品では他の要素が沢山入っていて、そこに広がりと深さを感じてしまう。音楽に吸い込まれる。ヒップホップ、サンプリング、ロック、ジャズなんかの要素が散りばめられている(気がする)。異国の音楽、イカした音楽、センスの詰まった音楽だ。


vol.6

PRAISE SPACE ELECTRIC

DIGGIN AT THE DIG IN

柔らかい音が重なり、ジャケットに通ずるサイケデリックさも醸し出しつつも、よりアシッドテイストでワールドなインストゥルメンタル。踊りたいし、作業も進む。話変わって2000年初頭、私は国立の音楽シーン界隈の洗礼を受け、レイヴなどにも興味を持った。そこにいる彼らが何をみ、感じてこういった音楽になったのかを知ろうとしていた時があった。自分の中にはない、いや眠っている、でも触れている物に感触がない世界がある。音楽ではそういう実感のないワープさせる作品たちが、自分をしっかりとアナザーな場所に連れっていてくれる。そういう尊大なものだと思う。ジャケットが本作に関わらずとてもかっこいい!

HEARTWORMS

SPACE ESCAPADE

草原へリュックサック背負って、優しい空をみながら好きな子と手をつなぎ歩く。昨日のことや仲間のことを思い出したりと、感傷的に・・ベル&セバスチャンとバセリンズとその他の沢山のメランコリックサウンドの良いところだけをサンドイッチのパンに挟んで食べている気分に。ヘロヘロでストレンジでユニークなこのミュージックは、ここじゃない時間や場所に連れていってくれる。いろんな気持ちが混ざり、生まれ、感じる音楽が最高だと思う。特に多感な時にはそれが胸に響く。今でも響く、揺れる。RADIOHEAD,をBEACH BOYSのカバーも嬉しい。好きなリフ、トーン、展開、コード進行が多く、とても気に入った。インディーズ最高、90年代最高、メランコリックメロディ&ギター最高!


vol.9

ロボ宙

『SCRAPPIN』

ちょっと前に、生で聴いた曲も入っていたし、大晦日の目覚めの朝に聴けたことも追い風となって、ロボ宙の作り出すエネルギー(曲、唄、思想)が胸にガシガシ入ってきたYo。脱線トリオのリーダーMCのロボ宙は、ビースティボーイズの来日フロントアクトもつとめた、フロンティアマンのひとり。ファンキーさと力強さが見た目もリリックにも感じられ、曲はユニークで明るい。音楽に対するシンパシーが強い感じがとてもするんじゃ。こういう音楽が流れている家、暮らしでありたい。音楽はみんなに愛されていて、作り手は独特で孤高、その結果、良い物は聞き手とつく手が握手するのさ!

余談

『セブンティーン』

面白かったなー。正月をゆっくり過ごす、家の日だまりに平行して、色んな理解が進んだ。のん、小薮、テイトウワ、かせきさいだぁ、中原昌也、どれも音楽家たちは、私の多感な時に個性全快で快速に走っていたヒトたち。のんはとにかく、最近大好きなアーティスト。キリンジ「エイリアンズ」のカバーの歌声で一気に打ち抜かれた。小薮の音楽に対する純真さと尊敬の仕方もよかった。のんとのインタビューで「この世界の片隅に」についてのところで、戦時中のヒトたちは、当時の状況は自然災害と感じていたんじゃないかというくだりが特に印象に残った。テイトウワの早く孫の顔が見たいという締めくくられているのも、気持ちは揺さぶられた。出てくるヒトたちについっていって間違いないと思った(カタチのないついていきかたですが)


vol.12

ELK CITY

『Freeze Two Over Eight』

『Judoori』

ニューヨークのアートPOPバンド。アートPOPバンドってジャンルがあるのは知らなかったが、色々な呼ばれ方が存在するんだなと思った。バンド名の由来は、都市と農村を組合わせらしく、その状態を気に入っていて名付けられたようだ。2000年にリリースされたこの7インチは、アートとPOPという両方が音で内包されていて、聞き心地、口遊み心地ともに最高で、フレミングリップスと似た美しさを想起させた。

Broken Dog

『THROW EVERYTHING AWAY SLOPE』

1994年ロンドン発エクスペリメンタルバンド。混沌としているけれど、柔らかなメロディ、そして時より噴火する凶暴性、こういう組み合わせが昔から特に好きだ。派手なBIGミュージックが量産された80年代を経て、90年代は実験性を重要視しながらもメロディを置き去りに出来ない、90年代のカウンター性に強い共感を覚える。似たような感覚が血潮に流れている気がしている。

SOUL-JUNK

『1947』

インディロック、オルタナティブ、パンク、エクスペリメンタルな全て均等に表現さえたバンド、ソウルジャンク。自分のルーツの一つソニックユース、サーストンムーアの原子感も感じた。またBrokenDogとも通ずる、90年代までの音楽の流れとこのバンドの関係性は蜜月で、より自分へダイレクトに響く。影響と自己の交差する作家性が同時代であればあるほど、共感せざる得ない。いい!

MUM

『nightly cares』

アイスランドのエレクトロニカバンド、ムーム。ビョークと同郷のアイスランドの神秘性の謎と美しさをエレクトロニックに。物語性がある構成でチャイルディスクの竹村延和なども思い出させる。様々な楽器の音やサンプリング音が聞こえてくる。メランコリックなミュージックジャーニーでした。


vol.15

LIGHTHEADED

『WRONG WAY』

最近のヒップホップ熱を感じ取ってくれてのチョイス。ポートランドの3mc&1DJ、2005年発売のセカンド。ジャジーという言葉で括ってしまうのは楽なのだが、2000年前後のヒップホップクルーたちは、色んな音楽を混ぜ混ぜしていて、90年代のロックのように、ストレートにかっこいいものを作ろうとしていると思う。なので多感な若者たちがヒップホップを選ぶ。心地よいし、複雑な要素の上に、わかりやすいメロディなベースがあり、のれる。これも勿論揺れながら書いている。

THE BUSY SIGNALS

all the young designers

 

2004年シカゴ発、オルタナティブ音楽グループ。男女ボーカルのビリビリガレージPUNKバンド。そしてとにかくPOP。柔らかさの充満したユニークな賛美歌のシングル。liggthedoedといい、アメリカの音楽の幅は羨ましいほど広く深い。表現力が豊かだし、どの音楽音楽ジャンルも深さを感じる。音楽の力を感じる国だなー。


vol.18

スチャダラパー

『あにしんぼう』

CD版が発売され、ライブDVDやスチャダラパー&ザ・コストパフォーマンスCD付きの特別版ということでオーダー。レコードよりもCDのほうが今の環境だと聞きやすいのもあって、聞く量が増え、さらに好きなラインナップの6曲だと更新。曲の作り方、出来上がり方のバリエーションもほんと柔軟かつ幅広な気がする。こういうキャリアの中で、温故知新を繰り返し、POPな仕立てで、新しい作品を届け続ける。「よきGなスキャット」のループする無国籍ジャジーなバックサウンドは、90年代のスコットランドやイギリスの音楽の一部を思い出せる。ノスタルジー溢れている。ザ・コストパフォーマンスが生演奏に変換することで、原曲の良さも感じる。ライブでは、DJサウンドよりも生バンドが好きなのは、自分の中に所謂「バンド」サウンドが流れ続つけていることを再確認する事柄のひとつである。音楽を聞くというのは回顧や頭や心の分配も重要な作用だと思っている。