無題 4分33秒ジョンケージ 改め433文字 

明日、14歳に同級生となり、中学校・高校と一緒に過ごし、それ以降もずっと付き合いを共にした友だちの結婚式に行く。40歳での結婚式だ。今のところピンと来ない。何も感じていない。ヒトの結婚式に興味がない冷たい人間だ。同じ式でも葬式のほうを気に入っている。そんなことを言っている余裕はそう続かないだろうとも分かっている。格好つけるのはよくない。葬式を重ねた後には、きっと結婚式が断然好きになるだろう。誰かの喜ぶ姿をそっと喜べる人間は美しい。俺は今まで美しくない。いづれ結婚式を好きになる時は、美しくはならない。気づくのだ。そう思っている。上辺で分かった顔しちゃいけない。気持ちがそう感じなきゃ本物じゃない。結婚式の仕組みやお金の高さや、押しつけががましさが嫌いだ。ただそれだけの理由だ。細部に拘ることは大事だ、それは姿勢だ。それは生き方だ。ここまででだいたい433文字。

俺が結婚式前夜に気づいたのは、その旧友が今どんな気持ちでいるのかってことだったり、親御さんはどういう日を待っているんだろうかということ。本人も親御さんも40年間待っていたのか、安堵したのか、そうでもないのかは、表情みたら少し分かるのかもしれない。26年前に君と出会った時から、今まで離れず付き合ってくれてありがとう。友だちも何人か死んだよね。生きているだけでいいよね。結婚式なんて君らしくないね。奥さんは喜んでいるんだろうね。結婚式がどこかで続く世界でありますように。心からおめでとう。