雪が降るとさ

今日は、関東平野にも雪が降り積もった。ご多分に漏れず、交通機関は麻痺している。帰宅を急がすアナウンスが、我が会社でもインタネット上でもTVでも盛んに発信されている。その空気を知ってか、交通機関はちゃんと滞っている。新潟や秋田や北海道のヒトたちはこんな都会のニュースをみてどう思っているんだろうか。一介のサラリーマンである私は、この好機をちゃんと活かせている。そういう状態の中の気持ちで舞い散る雪を見ていると、世界がブルーにみえる。帰り道に中学生と小学生の姉弟が携帯電話で雪を写真で取っていた。タクシーを待つ長蛇の列がみえた。駅のホームに雪が落ちる。街も寒そうだ。たまにしかない天気は、それぞれの記憶を呼び起こす。茅ヶ崎での最初の雪、駒沢大学駅近くに引っ越した直後に降ったあの雪、大阪駅近くで積もらなかった雪、三軒茶屋の道がその後凍結した雪、神楽坂の景色を白に染めていた大雪、西新宿でサラリーマンもホームレスも凍えさせていた雪、大泉学園で見た切ない気持ちになった雪、福岡市にいてTVで見た雪、初めての一人暮らしで寒さが沁みた雪、実家で感じた退屈な雪、・・・冬はいつも寂しくて寒くて嫌いだ。寒さは気持ちを剥き出しにする。冬を歩く先に、春がある。今、そんな心境。さあ歩くぞ。