富士屋ホテルへふみこむ

我が家の夏の旅行シリーズは、八丈島、種子島&熊本と鹿児島と、島・海シリーズとなり家族での楽しい時間を過ごしてきた。今年は生まれたての歩がいるので、旅行はナシと思っていたが、一年に一度くらい非日常を味あわないと、オトナの僕らは日常が少し味気なくなると思い、生活メリハリの意味も込めて、ミニトリップを選択した。近場で、未体験で、、なんて考えると楽しみな反面、考えるのが少し面倒くさくなってしまい、行き場所選びを家人に押し付けつつ、出されたアイデアに対して、そこはちょっとなんて批評だけしている自分もいた。二人の会話の糸口に、日本地図からひとつの場所を選択するには、選択肢が多すぎて、逆に決め手が少なくて、決定力にかけていた。信州(こんなときだけ長野などといわず)、金沢、益子焼あたりが最初有力だった。それぞれに特徴があり、魅力もあるのだが、予備知識も殆どないので、「ここだ!」という気分にならない。そんなに行く機会もないのに、もし・・たいした場所じゃなかったらどうしようという疑念が少しあったりもした。その点、八丈島や種子島は海が目的だったので、疑念はなく、まだ見ぬ島はどんなことになっているんだろうと、最初からワクワクしていた。一方、夫婦の会話でいいホテルに泊まりたい話はよくされていた。子ども達にも、なるべくモノよりコトをプレゼントしたいと考えており、それは舞台だったり音楽だったり、本当に美味しい物だったりをイメージしている。今年はフェスに行くことも検討したが、フェスは子どもや子ども連れにはチト厳しいシチュエーションで、入場すら出来ないフェスもある。引き算が少しずつ得意になった私は、もう無理して何かしたりしない。そのこと自体は寂しくももちろんあるのだが、正解の場面が多い。少しの我慢や遠慮が後でプラスに働いたりするのだ。そういう経過やこれまでがあって、答えに辿り着き、選択した場所が箱根にある富士屋ホテルだった。クラシカルホテルの水準、恐るべし。興奮と感動し、平伏した。上質さは、普段外なのはもちろん興奮要素だったが、何より格式、歴史、伝統のデカさフカさ。食も建物も働くヒトもサービスそのものが、来訪者へ魅せるデザインそのモノだった。また行きたい。行きたい!