引っ越しが迫り、荷物を整理している。引っ越し都度、これまで大事にしてきた、手紙を読んでいる。親からもらった手紙が最も多く、大事なヒトからもらったものがそれに次ぐ。書いてあることは、だいたい似ている。俺のために書いてくれているから、俺の欠点を優しく、ポジティブに終結されている。もう二度と会わない、会えないヒトのものも多い。「手紙」を大事にしているヒトも多いかと思う。俺もその度に、そう思う。もうなかなか会えないだろう、なんて時にはよく手紙が登場する。でもよく会えるヒトには手紙は書いていない。居なくなってからでは遅いのに、日々に謀殺されている、ことにしまっている。友だちがくれた、板尾創路とピエール滝の「考える文化」の中にも手紙の件がある。「手紙」は手の紙だから、手のひらから何かを出しながら念写している感じとか、「読んだらもやしてください」そういう〆のコトバのある手紙をもらえるように頑張ろうとか、二人らしい切り口の中に、共感出来るコメントも多々あった。昔、全部の音楽を聞きたいと思っていた時期があって、その一瞬の季節には確かに頑張れていたと思い込める感触もあった。それは到底無理だと諦めた時、聞く量も減った。パワーが減退した。そして、限られた時間の中で広くを目指すよりも、狭く深くを目指す人生の峠は越えた。そんな時分の自分に、手紙は最適な感じがする。親へ、妻へ、子へ、憧れのヒトへ、大切な友だちやお世話になったヒトなど。贈る相手によって筆は進むだろうか。そんなことを考えて、今日も俺は手紙は書かない。
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kXvrbKwH (金曜日, 08 10月 2021 11:55)
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kXvrbKwH (金曜日, 08 10月 2021 13:05)
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