映画『知らない町』

細江祐子さん主演の映画「知らない町」をイメージフォーラムに見に行く。一度DVDを借りたのだが、ハードと相性が良くなく、断念したので、念願でもあった。なによりなことは、この映画の音楽に、『俺はこんなもんじゃない』の【3月のタモリ】という曲が使用されていて、違うながれで、友だちとなった細江さんと狩生とマスダが共演していたこと。メジャー同士ではないことや、ジャンルが違うことなどから、縁があるなと長らく思っていた。当日は、大内監督と狩生のトークショーがあり、狩生がステージ等で話している場面は、幾度もお客さんとして見てきたが、どこでも変わらず、固執する事柄や考察、コトバ選びやも面白いので、「変わったやつだなー」と笑いながら見ていた。細江さんも元々、山下監督の「ばかのハコ船」で見て、その後に縁あって、仲良くなっていったので演技している細江さんと、現実の細江さんの同一のようで同一でない感じもあり、演技をすることが細江さんの天職なんだなと、想いながらみた。

映画自体もとても面白かった。クライマックスの映像の綺麗さが好きだった。他人の「生」感と自分との距離感が近づいたり遠のいたりが続き、クラクラした。俳優の顔というのも、メジャーほど整っていなくて(見慣れていないだけだと思う)、そばに在る、自分の知らない人たちの息づかいみたいなものに触れてる気がして、映画自体の魅力を改めて感じた。【三月のタモリ】もこうして聴くと、改めて、何にも属していない深遠な曲に聞こえ、『俺はこんなもんじゃない』のオリジナリティを満喫した。友だちが7人もいる場面で映画を見る機会はバージンなので新鮮だった。それぞれ違ったルートで生まれ育ち、それぞれとの付き合いの歴史も幾重に重ねあって、みんなとここに座っていた。その歴史をもっと重ねていきたいなと思う。